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2026.06

日本で小規模会社を運営する創業者向けの経営・管理ビザ書類準備ノート

事業関連資料

本ノートでは、日本で小規模会社を運営する創業者向けに、経営・管理ビザ関連書類を準備する際の実務的な確認事項を整理します。

本記事は一般的な参考情報であり、弁護士、行政書士、税理士その他の専門家による助言に代わるものではありません。

背景

外国人創業者が日本で会社を運営する場合、経営・管理の在留資格は、会社の実体や事業運営の内容と密接に関係します。

会社を設立していることだけではなく、事業所、事業規模、経営活動、資金面、事業計画の具体性などを、書類上で分かりやすく示すことが重要になります。

小規模会社の場合、実際に事業を行っていても、書類の内容が不足していたり、説明が一貫していなかったりすると、事業の実体が伝わりにくくなることがあります。

改正後の主な確認事項

経営・管理の基準は2025年に改正され、以前より厳格になっています。

実際に書類を準備する際は、必ず最新の公式情報を確認する必要があります。改正後の基準では、特に以下の点が重要です。

事業規模・資金面

事業規模として、原則として3,000万円以上の資本金等が必要になります。

法人の場合は、株式会社の払込済資本金、または合同会社等の出資総額が中心になります。個人事業の場合は、事業所の確保、雇用する職員の1年分の給与、設備投資費用など、事業を営むために投下された総額が確認対象になります。

以前の500万円基準を前提に準備すると、現在の基準に合わない可能性があります。

常勤職員

申請者が営む会社等において、1人以上の常勤職員を雇用することが必要になります。

この常勤職員の対象は、日本人、特別永住者、永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者などに限られます。

就労系の在留資格を持つ外国人のみを雇用している場合は、常勤職員要件を満たさない可能性があります。

日本語能力

申請者または常勤職員のいずれかが、相当程度の日本語能力を有している必要があります。

基準としては、日本語教育の参照枠におけるB2相当以上が示されています。日本語能力試験JLPT N2以上、BJTビジネス日本語能力テスト400点以上、日本での長期在留、日本の高等教育機関卒業などが確認方法として示されています。

申請者の経歴

申請者は、経営管理または申請事業に関連する分野で、博士、修士、専門職学位などを有していること、または事業の経営・管理について3年以上の経験を有していることが求められます。

そのため、申請者の役割、経歴、実際の経営関与を整理することが以前より重要になります。

事業計画書の確認

事業計画書は、具体性、合理性、実現可能性があるかどうかを確認されます。

改正後は、経営に関する専門的な知識を有する者による確認が求められます。施行日時点では、中小企業診断士、公認会計士、税理士などが該当するとされています。

注意が必要な事業類型・運営形態

公式資料では、「この業種は一律に不可」という単純なリストは示されていません。

ただし、改正後は、事業の実体、経営者本人の関与、事業所、許認可、事業規模、資金面などがより慎重に確認されると考える必要があります。

以下のような形態は、専門家による確認なしに問題ないと判断すべきではありません。

飲食店・外食事業

飲食店や外食事業が、経営・管理の対象から一律に除外されたわけではありません。

ただし、飲食店は、調理、接客、清掃、会計、仕入れ、シフト対応などの現場業務が発生しやすいため、特に慎重な整理が必要です。これらの現場業務は、経営管理活動そのものとは区別して考える必要があります。

飲食店事業の場合、申請者の主な役割が、財務管理、従業員管理、仕入先との契約、事業計画、法令対応、報告管理、全体の意思決定などであることを説明できるようにする必要があります。

申請者が主に厨房に立って調理をしている、ホールで接客している、通常の店舗スタッフと同じ業務を中心に行っている場合は、経営者としての活動実態の説明が弱くなる可能性があります。

飲食店の場合は、飲食店営業許可、食品衛生責任者、賃貸借契約、従業員資料、給与記録、会計資料、仕入先情報、メニュー、実際の営業実態を示す資料なども整理しておく必要があります。

重要なのは、飲食店が禁止されたということではありません。申請者が現場労働を中心に行っているのではなく、実際に事業を経営・管理していることを示せるかどうかです。

ペーパーカンパニー

会社が登記上存在しているだけで、実際の事業活動、顧客、運営体制、事務所機能、資金的裏付けが乏しい場合は、リスクが高くなります。

業務の大部分を外部委託している事業

業務の大半を外部に委託しており、申請者本人が日常的に経営活動を行っていない場合や、事業内容・財務状況などを十分に把握していない場合は、経営者としての活動実態が認められにくくなる可能性があります。

自宅兼事務所

改正後の規模に応じた経営活動を行うための事業所を確保する観点から、自宅を事業所と兼ねることはリスクがあります。

事業所は、実際の経営管理活動に適した場所であり、通常の居住用途とは明確に区別できることが望まれます。

必要な許認可を整理していない事業

事業内容によっては、許可、認可、登録、届出などが必要になります。

飲食、宿泊、不動産、古物、職業紹介、旅行、金融その他の規制業種では、必要な許認可や、取得できない場合の具体的理由を整理する必要があります。

法律・会計業務に関する事業

法律上、弁護士、公認会計士、税理士などの資格がなければ行うことができない法律・会計業務については、経営・管理とは別の在留資格区分との関係に注意が必要です。

名義上の経営者

申請者が経営者とされていても、実際には別の人物が意思決定や管理を行っている場合、申請者本人の経営活動の説明が弱くなる可能性があります。

公開情報と正式書類が一致していない場合

ウェブサイト、SNS、会社案内などの公開情報が、登記内容、事業計画書、役割分担、在留資格関連書類と矛盾している場合は注意が必要です。

たとえば、登記上または法的書類上の役職と異なる肩書を、ウェブサイトでCEO、Director、Representativeなどとして表示すると、説明に矛盾が生じる可能性があります。

主な書類整理の領域

創業者は、以下のような領域ごとに資料を整理すると確認しやすくなります。

会社の基本情報

会社名、所在地、代表者、資本金、役員、事業目的、登記内容などの基本情報を整理します。

登記簿、事業計画書、賃貸借契約書、税務関係書類、銀行関係書類、ウェブサイトなどで、会社情報が矛盾しないようにすることが重要です。

事業所

事業所については、賃貸借契約書、使用目的、事務所のレイアウト、写真、看板、実際に事業活動を行える状態であることを示す資料などを整理します。

事業所は単なる住所ではなく、日本で事業を運営するための拠点として説明できる必要があります。

事業活動

会社が何を行っているのか、誰を顧客としているのか、どのように売上を得るのか、誰が経営や実務を担当しているのかを整理します。

飲食店などの運営事業であれば、契約書、請求書、メニュー、ウェブサイト、仕入先資料、許認可、従業員資料、会計資料などが補足資料になり得ます。

資金面

事業がどのように資金手当てされているのか、今後どのように継続して運営されるのかを説明できるようにします。

状況に応じて、資本金の記録、銀行残高、出資記録、会計資料、予算表、売上見込み、資金繰り表、固定費の資料などを整理します。

経営上の役割

申請者または創業者の役割は、慎重に整理する必要があります。実際の経営判断、管理責任、事業への関与が分かるようにします。

資本方針、登記上の代表、店舗運営、会計管理、ウェブサイト管理、日常業務などを別の人が担当している場合は、それぞれの役割を簡潔かつ一貫して説明することが重要です。

実務チェックリスト

書類を準備する前に、以下の点を確認します。

  • 会社名、所在地、代表者情報が各書類で一致している。
  • 事業所の契約内容と使用目的が明確である。
  • 事業計画書が実際の事業内容と一致している。
  • 必要に応じて、事業計画書が適切な専門家により確認されている。
  • 事業規模と資金面が資料によって裏付けられている。
  • 常勤職員要件を理解し、資料を整理している。
  • 日本語能力に関する証明資料を準備している。
  • 申請者の学歴または経営・管理経験を証明できる。
  • 売上見込みや費用計画が現実的で、資料によって裏付けられている。
  • 経営上の役割分担が一貫して説明されている。
  • ウェブサイトや公開情報が正式書類と矛盾していない。
  • 税務、社会保険、労務、許認可に関する資料が整理されている。
  • 日本語表現が事実ベースで、過度に宣伝的になっていない。
  • 重要な説明が文章だけでなく、資料によって補足されている。

よくあるリスク

以下のような点は、書類の信頼性を弱める可能性があります。

  • 事業計画書と実際のウェブサイト・運営内容が一致していない。
  • 申請者の役割が抽象的で、実際の経営関与が分かりにくい。
  • 事業所が一時的、住居的、または事業内容に合っていないように見える。
  • 売上予測が楽観的すぎて、根拠資料が不足している。
  • 会社構造の説明が書類ごとに異なる。
  • CEO、Director、Owner、Representative などの肩書が、登記内容や実態と一致していない。
  • 会社としての仕組みではなく、個人的・非公式な関係に依存しているように見える。
  • 事業規模や資金的裏付けが不足している。
  • 申請者本人の経営関与が十分に示されていない。
  • 必要な許認可が整理されていない。
  • 税務、労働保険、社会保険などの公的義務の整理が不足している。
  • 飲食店事業において、申請者が経営管理ではなく、調理、接客、会計、その他の現場業務を中心に行っている。

書類整理の考え方

良い書類は、事業を知らない第三者にも理解しやすいものです。

各資料は、次の問いに答えられる必要があります。

この会社は何を行い、どこで運営され、誰が管理し、どのように資金を確保し、どのように継続するのか。

小規模会社においては、長い説明よりも、明確さと一貫性が重要です。

注意事項

入管制度や審査実務は変更される可能性があります。実際に書類を準備する際は、必ず最新の公式情報を確認し、必要に応じて専門家に相談してください。

本記事は Mae & BK’s Home Co., Ltd. による一般的なコーポレートノートであり、法的助言ではありません。また、個別の申請可否を判断するものではありません。